「あなたの心は腐りかけてるんじゃない。
まだ芽さえ出ていない種のままなのよ。」
君の言い分がそうだとすれば、
僕の反発にも近い主張がそこにはあった。
「けれども種は根を張ってしまえば場所に縛られる。
同じ場所から動けないのは嫌だ」
昔言えなかった言葉はずっとつかえたままで、
心の中でやり直しても先は見えない。
「光を浴びて伸び続ければ、空を仰ぐことだってできる。
景色が目当てなのなら、飛ばなくてもいいのよ。」
嫌になるほど耳に残ってしまう言葉は、
何故嫌になってしまったのだろう。
「問題は何が目当てなのかじゃない。
根を張る決断が全てを決める気がするからだ」
ここで枯れても構わない、というのは、
子供じみたただのわがままなのだろうか。